雑な文章が迷惑な理由

【目次】

  1. はじめに
  2. 「雑な文章」とは?
  3. 雑な文章が迷惑になる時
  4. 雑な文章になるのは書き手の怠慢
  5. 読み手が増えるほど迷惑度も増える
  6. 書き手として気をつけるべきこと
  7. 読み手の自衛策
  8. まとめ
  9. おわりに

はじめに

近年、メール、SNS、ブログ、掲示板など、 文章でコミュニケーションを取る機会が多くあります。 それに伴って、仕事上においてもプライベートにおいても、 文章による摩擦や行き違いなど、様々な問題が起きていると思います。

そこで今回は、「雑な文章」にまつわる問題点と解決策を考察してみました。 自戒も込めて…(^_^;

※本コラムは私の個人的な見解を述べたものです。 一つの意見としてお読み頂ければ幸いです。

「雑な文章」とは?

「雑な文章」とは、一言で言えば、「整理されていない文章」のことです。 もう少し突っ込んで言えば、思考の垂れ流しをしているだけで整理されていない、 読み手にとって分かりづらい文章、ということです。

【雑な文章の一例】

こういうのってAだと思うんですよね。 だって結局Bじゃないですか。 大事なのはなんでしょう? CってどこまでがCなんですか? おかしいと思ってDだったらEすればいいわけですし。
だからFとか言うのは違うと思うんですけど。

  _, ._
 (゚Д ゚ )...!?

こういうとっ散らかった文章書く人、いますよね、たまに…(苦笑

雑な文章のパターンはいくつかありますが、 傾向としては、以下のようなものがよく見受けられます。

  • 主語が不明、もしくは曖昧。「誰が?」「何が?」が分からない。
  • 論点が不明、もしくは曖昧。「どこが論点なのか?」が分からない。
  • 論理が不明、もしくは曖昧。「どうしてそうなるのか?」が分からない。
  • 結論が不明、もしくは曖昧。「結局何が言いたいのか?」が分からない。

つまるところ、誰かに何かを伝える文章としてのクオリティが低い、ということです。

雑な文章が迷惑になる時

もちろん、文章を書くシチュエーションというのは色々ありますので、 毎度毎度、しっかりした文章を書く必要はありません。 飲みに行ったとか遊びに行ったとか、雑談的なものや日記的なもの、 そういった柔らかい話は、好きなように書けばいいと思います。

厄介なのは、「ちょっと真面目な話」の時です。 何かの問題提起をしているとか、 何かについて意見表明しているとか、 何かに反論をしているとか、 そういうちょっと真面目な自己主張的な何かの話をしている時。

こういう「ちょっと真面目な話」を「雑な文章」で投稿されると、 読み手はとても迷惑します。

真面目な読み手ほど、真面目な投稿には目を通してちゃんと理解しようとします。 「この人の言いたいことは何だろう?」と読み取ろうとします。

でも、その文章が「雑な文章」だったら…? 解読にすごく労力がかかるわけです…(´Д`;

そして読み手は、「雑な文章」を投稿した書き手に対し、 「お前のグチャグチャな頭ん中をそのまんま出してくんな!」 「少しは整えてから投稿しやがれ!」と思うわけです(笑

つまり、真面目に読もうとする人ほどバカを見るんですよね。 解読に労力のいる雑な文章って。

雑な文章になるのは書き手の怠慢

雑な文章を雑なまま投稿してしまう人は、 どういう心理でそうなってしまっているのでしょう?

その一番の理由は、「ちゃんと書くのが面倒だから」だと思います。

文章をちゃんと書くってことは、それなりに労力のかかる作業です。 一発で完璧な文章に仕上げるというのは、よほど才能のある人でない限り難しいことです。 今私が書いているこの拙い文章だって、 自分なりに色んな要素を整理しながら、ある程度時間をかけて推敲しながら書いています。

でも、雑な文章を投稿する人は、そういう苦労をしたくないから、 思いついたままバーッと書いてエイヤッと投稿しちゃうわけです。 そのほうが楽だから。 読み手の苦労なんて知ったこっちゃないわけです。

つまりこれは、読み手に対する配慮があるかどうか、ということだと思います。 多少なりとも読み手に対する配慮があれば、 おかしな文章を投げてしまわないように、 最低限の推敲はしてから投稿すると思うんですよね。

雑な文章を投稿する人のなかには、 「時間がもったいないから」とか言う人がいるかもしれません。 そういう人は、解読に苦労する読み手の時間はどうでもいいんですかね。 「一気に書かないと勢いがなくなるから」とか言う人もいるかもしれませんが、 そんなものは単に書き手のエゴなのであって。 そういう雑な書き方をしたいなら、 自分の個人ブログかチラシの裏にでも書いてればいいんじゃないでしょうか。

読み手が増えるほど迷惑度も増える

「雑な文章」を書く人が1人いたとして。 1対1のメールなら、被害者(?)は読み手1人です。

しかし、メーリングリストやSNS、 自己主張配信型サイト(BLOGOSなど、個人的な文章が 世間一般のニュースフィードに載ってしまう系のもの)など、 1対多で配信される媒体の場合、 読み手が増えるのに比例して、迷惑度も増えていきます。

この現象が例えば会社などの組織の中で発生した場合、どうなるでしょうか? 多くの人が目にするメーリングリストで雑な文章が投稿されたら? その雑な文章の解読のために、多くの人の業務に影響が出てしまいます。 つまりそれだけ組織全体の業務効率が落ちてしまう、ということです。

仮に、書き手は真面目な投稿をしたつもりでも、文章が雑であるために、 内容がどうこう以前に、みんなの迷惑になってしまうわけです。

加えて、雑な文章に雑な文章で返信する人がいたりすると、 「雑度」がさらに増幅されてカオスなことになります(笑)。 本人達は熱い議論でも交わしているつもりなんでしょうが、 傍から見れば、何かを述べているようで何も述べていないに等しい、 無意味な雑音でしかありません。

書き手として気をつけるべきこと

では、書き手は何に気をつけて投稿するべきなのでしょうか。 それは一言で言えば、「読み手に配慮した分かりやすい文章を作る」ことに尽きます。

例えば、「雑な文章」の逆を考えてみましょう。 箇条書きにすれば以下のようになります。

  • 主語を明確に。「誰が?」「何が?」を明確に。
  • 論点を明確に。「どこが論点なのか?」を明確に。
  • 論理を明確に。「どうしてそうなるのか?」を明確に。
  • 結論を明確に。「結局何が言いたいのか?」を明確に。

こういった点を気をつけるだけでも、だいぶ良くなるでしょう。 あとは、結論を先に書くとか、箇条書きをうまく使うとか、5W1Hをおさえるとか、 いわゆる一般的な文章作成ノウハウを使えばいいと思います。 慣れてないと少し面倒かもしれませんが、 書き手の文章が雑であるがゆえに、伝えたいことが伝わらないのだとしたら、 それはもったいないことです。 何かを主張したいなら、最低限の体裁は整えてから投稿したほうが、 有益なやり取りになるはずです。

本来あるべき姿は以下のようなカタチです。 こうであれば、読み手の負担も少なく、書き手の伝えたいことも伝わり、 みんなが幸せになれると思います。

書き手が「分かりやすい文章を書こう」と少し意識して、 少し労力をかければ済むことです。 やろうと思えば誰にでもできることだと思います。

読み手の自衛策

雑な文章に対する読み手の自衛策は、「パッと見て、そっ閉じ」です(笑

雑な文章を投稿をする人は、自覚がないことも多いので、繰り返す傾向があります。 パッと見て、「あーまたか」と思ったらすぐ閉じる。流す。 まじめに読もうとしてはいけません。解読の労力が無駄だから。 答えの不明な謎解きにつきあう必要はありません。

メールの場合、究極的には「雑な文章を書く人からのメールは、ゴミ箱へ振り分ける」という技がありますが、 稀に必要なメールが飛ぶ可能性もありますし、 さすがにちょっと可哀相な気もするので、 これは最終奥義としておきましょう(笑

FacebookやTwitterなどSNSの場合、 雑な投稿を何度も繰り返す人に対してのフォローは解除 しましょう。 雑な文章の解読であなたが無用な労力を使うのはもったいないことですから。

ちなみに少し話はそれますが、Twitterの場合、 もともと真面目な話をするには不向きな媒体だと思います。 短い文章を気軽に投稿する、というサービスなので、 仕組み上、思考の垂れ流しになりやすいわけです。 「少ない字数で垂れ流す→誤解される→炎上」 というパターン、ありますよね。 これは、書き手が言葉足らずになりやすいことに加えて、 読み手の「解読に苦労する不快感」も手伝って炎上するんじゃないでしょうか。 そしてそのまま「雑な文章」の応酬になるという…(笑

まとめ

  • 頭の中の思考をそのまま垂れ流すと雑な文章になる
  • 雑な文章を投稿すると、読み手の数だけ迷惑がかかる
  • 書き手は、ちょっと真面目な話を投稿するときは、整理してからにする
  • 読み手は、雑な文章の解読に無用な労力を取られないように、自衛する

おわりに

本来なら、こういった文章力というものは、 社会生活の中で自然と養われていくものだと思います。 例えば仕事でメールを書いたり、報告書を書いたり、提案資料を作ったりする際に、 「この文章はちょっと判りにくいな、こう直してみるか」とか 「この前提からこの結論へは飛躍しすぎかなぁ」とか 「この言葉の定義が不明だな、補足を入れるか」とかとか、色々考えますよね。 そこには当然、読み手に対する配慮が含まれるわけです。

でも、いい歳した大人なのにその辺が未熟なままの人も、残念ながら一定数いるのが現実です。 本人がそれを自覚していないのだとしたら、本人も周りも不幸ですね。 そういう人にはぜひこのコラムを紹介してあげてください。

雑な文章を書く人が少しでも減りますように、 そして多くの人が雑な文章を解読するという無用な労力から解放されますように… そう願いながら筆を執った次第です(^_^;

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