幽体離脱で「上から自分が見える」というのは本当か?

はじめに

幽体離脱的な体験で、自分自身を上から見下ろしていたとか、 そういう話ってありますよね。 これって本当なんでしょうか?

「『見える』とはどういうことか?」 という根本的な観点から検討してみたいと思います。

「見える」ということ自体が疑問

私は霊魂的な存在を否定はしないのですが、この「幽体離脱して部屋の天井あたりから部屋を見下ろしていた」みたいな話は疑問です。

そもそも「物が見える」とは、どういうことか? 我々が普段見ているような景色は、 空間に乱れ飛んでいる光が、 眼球というレンズによって整理されることによって初めて、知覚可能な映像として見える のです。

眼球がなければ光の乱反射で世界は白くぼやけた感じにしか知覚できないでしょう。

よって、自分がベッドに寝ていて、魂だけが抜け出して、「上から見下ろしていた」のような話はおかしいのです。

ハッキリと眼前の景色が知覚できるためには、レンズによって光が整理されなければ、今我々が眼前で見ているような景色にはならないからです。

例えば、カメラからレンズをすべて取り除いて撮影したらどうなるか? 白くぼやっとした光だけが写ることになるでしょう。 物の形を識別することなど不可能です。

普段見ている世界が当たり前すぎて、見落としがちになりますが、 光が乱反射している空間において、 物理的なレンズを持たない霊魂が、ものを「見る」ということ自体が不可能 なのです。

よって、この手の幽体離脱話は、 脳内で再生された映像の類を実際に見ているものと誤認識している にすぎないでしょう。

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